これまでに、グローバルソブリン(いわゆるグロソブ、正式名称は「グローバル・ソブリン・オープン」、内容は「ソブリン債券ファンド」)について、述べてきた内容を再度掲載します。
グローバルソブリンとしては、国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」が代表的ですが、他の運用会社・証券会社も、似たようなファンドを組成・販売しているようです。 さて、これまでに述べた内容を簡単にまとめると ・グローバルソブリンは、手数料が高い分、期待収益が低くなる ・そもそも、債券投資は金利上昇局面には不向き ・債券投資をしたいなら、直接外国債券を買うか、外債インデックスファンド・外国債券ETFのほうが良い ・グロソブも円安になると利益が見込めるが、円安を狙うならもっと適切な金融商品がある ・したがって、グロソブへの投資は、お勧めできない ※ インフレ・不況局面では、債券は長期的にインフレに負け続けることがあります。「インフレに勝つ資産運用」とは? 「株式長期投資のすすめ/ジェレミー・シーゲル」に見るで述べたように、 ・アメリカでは、1940~1980において、債券(Bonds)はインフレに負け続けた ・特に、1970~1980において、債券投資家は(インフレによって)大きな損をこうむった ことがわかると思います。 また、海外債券ETFには、たとえば、以下のような種類があります。いずれも日本では買えませんので、香港やアメリカの証券会社から注文することが必要です。(カッコ内は、ティッカーコードと、市場) iShares Tr Lehman 1-3 Year Treasury Bd(SHY:AMEX) iShares Tr Lehman 7-10 Year Treasury Bd(IEF:AMEX) iShares Tr Lehman 20+ Year Treasury Bd(TLT:AMEX) iShares Lehman TIPS Bond Fd(TIP:NYSE) iShares Lehman Aggregate Bond Fund(AGG:AMEX) iShares Tr GS $ Inves Top Corp Bd Fd(LQD:AMEX) --- 「グローバルソブリンの注意点(1)」 ここ何年か、国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」が、高齢者を中心に人気のようです。このファンドは、通称グローバルソブリン、略してグロソブなどと言われています。人気を集めた理由は、 ・信用力の高い国の国債に分散投資している、安定運用の投資信託 ・以前のオープン型投資信託には珍しかった、毎月分配 とされています。 以前のエントリーで、「今ブームが来ているグローバルソブリンには要注意」と書きました。今回は、「なぜ要注意なのか、どう注意すればいいのか」について述べます。(中略) ①運用手数料が高い このファンドの運用手数料は、総資産額に対して年に1.25%と、株式投資信託並の高さです。それだけではなく、販売手数料として、購入時に購入価格の1.5%が必要です。これまでも「1兆円ファンド」の例などで検討してきたように、運用手数料の高いファンドは、それだけで運用成績の低下につながりかねません。 ②それ以前の問題として、運用が稚拙 これだけの運用手数料を取っているのだから、さぞ素晴らしい運用をしているに違いないとお思いでしょうか。実際は、債券と言う比較的安全なもので運用しているにもかかわらず、基準価額は、基準の1万円を下回り続けており、利回りはマイナスになっているのが現状です。 ③新規の投資資金流入により、これらの問題が基準価額に反映しない 外国債券の利回り(既発債、残存期間10年未満)は、たとえば、 アメリカ国債(ドル) 3.6~4.1% ドイツ国債(ユーロ) 2.5~4.5% です。 流動性などを考えると、アメリカ国債を中心にすることになりますので、本来の利回りが4%といったところでしょう。株式に比べると低い期待利回りですが、そこから運用手数料を毎年1.25%取ると、実質利回りは1.75~2.75%といった状況になります。 手数料を抜いた後で利回りが3%を切るようなファンドが、なぜ年5%もの配当を確実に実施できるのでしょうか。また、配当は、原理的に「元本を取り崩して」行うのですが、にもかかわらずなぜ基準価額がそれほど下がらないのでしょうか。(中略) --- 「グローバルソブリンの注意点(2)」 以上の注意点を簡単に言うと、「グローバルソブリンは、今はいいかも知れないが、買ってはいけないファンドだ」ということです。(中略) 毎月の分配金が本当に必要なのか、つまり、再投資による複利効果を生かして資産形成するほうが本来の目的を達成できるのではないか、ということを検証します。(中略)また、海外債券ファンドに投資したい場合は、ETFを活用します。 まとまった資金があり、外貨ベースで長期固定運用したいのなら、個人で外国債券を購入することも可能です。ただし、国内の証券会社で購入すると、債券価格自体が不透明な上に、為替レートも不利ですので、「自分でFXなどを活用して外貨に換えて」「海外証券会社で直接債券を購入する」ことが一番有利です。 --- 「金利上昇とグローバルソブリン グローバルソブリンの注意点(3)」 世界的な金利上昇を迎えて、グロソブからの撤退を推奨します。その背景としては、 ・外国債券を直接買っても、それなりの利率で運用できる ・直接投資が難しいなら、外債インデックスでも良い ・手数料と、毎月配分への税金のために、複利再投資が困難 です。ですが、アメリカなどが金利を引き上げてきたのは「インフレ懸念に対応するため」です。基本的には、債券はインフレに弱い金融商品ですので、くれぐれもご注意ください。どうしても債券が良いという場合には、「購入時期の分散」「銘柄(満了期間)の分散」に加えて、「通貨の分散」もご検討ください。 --- 「インフレに勝つ資産運用」とは? 「株式長期投資のすすめ/ジェレミー・シーゲル」に見る アメリカでの、1800年から過去200年間の、各種資産のリターンを示したものです。・・・ 名目リターン 株式>>債券>>ゴールド>(プラスマイナスゼロ) これだけを見ると、個人は200年も長生きできるわけがないことを割り引いても、株式が非常に良いように見えます。さらに、それらの名目リターンから、インフレ率を引いた、「実質リターン」を見てみましょう。 実質リターン 株式>>債券>>ゴールド~(プラスマイナスゼロ)>ドル紙幣 ・債券は、長期的にインフレに負けることもあるし、勝つこともある --- グローバルソブリンに関して、「日本国財政破綻セーフティーネット」の管理人様のコメントを転載します。 Commented by rc2003 at 2006-08-10 23:47 x グローバル・ソブリン・オープンは、申し込み手数料 (最初に2万~3万円程度) と運用手数料と手数料を二重に取られます。特に、運用手数料は毎年残高に対して一定率(1.5%~2.5%くらいが一般的) 自動的に差し引かれていきます。毎月分配金は受け取り型と再投資型 (この場合、通常申し込み手数料はいらないようです) を選択できます。分配金積立方式 (再投資) の場合の方が、トータルで見た場合の運用成績は良いようです。なお、基準価格は毎日、日経紙面で確認できますが、いっとき、人気で価格が高騰しましたが、最近は下落しているものが多いようです。証券会社窓口の販売員は、最近はたいてい契約社員が多いので、会社のマニュアル程度のことしか知りません。僕はさすがに運用成績がマイナスになることはないと思いますが、過大な期待は禁物です。 --- ※ 投資の判断は自己責任でお願いします。 --- 「国家破綻研究ブログ」のトップページに戻る 「国家財政破綻研究ページ」を見に行く 「国家破産・財政破綻に勝つ資産運用」を見に行く
by kanconsulting
| 2006-10-08 13:32
| 資産保全一般
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