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シャープ・レイシオ(シャープレシオ、シャープ・レシオ、シャープラチオ)とヘッジファンド

シャープ・レイシオ(シャープレイシオ、シャープレシオ、シャープラチオ)について、簡単に説明したいと思います。

・シャープレイシオとは?(レイシオは、レシオ、ラチオとも書くことがあります)

シャープ(sharp)・レイシオ(ratio)の名のとおり、 「(ファンドの価値の)増減の程度が、どれほど激しい・著しいものなのかを、何らかの基準で割り算した比」のことです。

つまり、シャープレイシオとは、リスクあたりの超過リターンを示した指標です。

このように、シャープレイシオでファンドを比べるということは、リスクレベルを同じにそろえて、超過リターンの違いを比較するということになります。

ただし、過去の傾向は、そのまま将来にも適用できるわけではありませんので、ご注意ください。

                   超過リターン
シャープレイシオ = --------------------------
               超過リターンの標準偏差

超過リターン = ファンドのリターン(分配金込み) - 国債のリターン (平均値)

ここでの「リスク」は、現代ポートフォリオ理論の「リスク」ですので、利回りの変動の大きさのことです。「リスク」が大きいほど、利回りが大きく変動したことになります。大きく上昇を続けたファンドと、大きく下落を続けたファンドは、いずれもリスクは大きくなります。日ごろ直感的に言う「リスク」とは、意味合いが異なりますのでご注意ください。

・なぜシャープレイシオ(sharp ratio)が必要なのか?

ヘッジファンド、特に、マーケットニュートラルなどの戦略をとるヘッジファンドは、基本的に市場の大きなトレンド(動向)とは関係なく、その戦略プログラムが、市場の波にどれだけ適応出来たかによって左右されます。

ですので、そのヘッジファンドが、大きなシャープレイシオの場合は、「安定して利益を出すことのできる戦略だ」と考えることができるわけです。

たとえば、あまり優れていない戦略でも、レバレッジをかけて(借金をして)ヘッジファンドを運用すれば、儲かるときは大きい(損をするときも大きい)わけです。この「大きく儲かった」時のグラフを見れば、「このヘッジファンドは優れている」と思いがちなのですが、シャープレイシオを比較することで、「たいしたことの無い戦略のヘッジファンドだ」ということがわかるわけです。

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海外銀行を使うテクニックは「国家破綻に勝つ資産保全 オフショア編」
海外ヘッジファンドへの投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ヘッジファンド編」
海外証券会社を使った投資は「国家破綻に勝つ資産保全 ETF編」
外国為替取引(FX)を使った投資は「国家破綻に勝つ資産保全 FX編」
を参照ください。
by kanconsulting | 2006-10-20 00:38 | ヘッジファンド
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