預金封鎖の実例(1) アルゼンチン

まず、以下のニュースをご覧ください。

(引用開始)

政府は、金融崩壊の恐れがあるとして、国内のすべての銀行を無期限に閉鎖しました。金曜日に中央銀行によって発表されたこの決定は、預金者による取り付け騒ぎを食い止めるのが目的とされます。人々は、給料を現金自動振込機から引き出そうとしても引き出せず、巨大な群衆が銀行を囲むこととなりました。
現地の外務特派員は、金融システムの信用崩壊があり、さらに悪くなる兆候が見られるということです。

預金の引き出しに大して政府が課した制限に対して、預金者の差し止め訴訟が順調に進行していることを受けて、年初以来、金融システムからは総預金のおよそ10%が流出しています。
政府は、現在、預金者の貯蓄を10年ものの国債に強制転換できる法案を可決しようとしています。(以下略)

(囲み部分)『月末まで5000円程度しかないので、食費を切り詰めようと思っています。(とある銀行員)』

BBCニュース 翻訳はkanconsultingによるものです

(引用終了)

これは、アルゼンチンの2002年のニュースです。わずか5年前のことなのです。

a0037933_10182155.jpg



アルゼンチンの通貨であるペソ(ARS)は、現在は1ペソ=40円程度です。昔は、1ペソ=1ドルのドルペグ(ドルに対する固定相場)でしたが、デフォルトを起こしたため、ドルに対して大幅なペソ安となり、通貨の減価が起こりました。下のグラフは、最近5年間のペソ-円レートです。

a0037933_1022599.jpg



---

さて、これは「地球の反対側の出来事」なのでしょうか?「アルゼンチンと日本は違うよ。日本は世界二位の金融大国で、世界一位の対外債権国だよ。」と言われますか?

逆に、このニュースを見て「昭和21年の預金封鎖と同じだ」と思われた方もおられるのではないでしょうか?また、『政府は、現在、預金者の貯蓄を10年ものの国債に強制転換できる法案を可決しようとしています』というくだりをみて、他人事ではないと思われた方もおられるのではないでしょうか?

大事なことなので、よく考えてください。

「世界最大の債権国」の意味については、別途エントリーにて述べたいと思います。

---

記事原文

Argentina has closed all the country's banks indefinitely amid fears of a financial collapse. The move, announced by the Argentine central bank on Friday, is aimed at stemming a rush by savers to withdraw funds which could break overstretched commercial banks. Huge crowds gathered outside banks as people tried to cash their salary cheques and get money from automated teller machines. The BBC correspondent in Sao Paulo says there is a total loss of confidence in the system and the signs are that the situation will get even worse. Argentina's banking system has lost about 10% of its total deposits since the start of the year, with many savers launching successful court challenges against government-imposed restrictions on withdrawals. The government is now hoping to pass a bill that would convert most depositors' savings into 10-year bonds.

"I have 12 pesos to last until the end of the month - I probably won't eat much today" Bank customer Maximiliano Lopez
[PR]
by kanconsulting | 2007-02-12 10:31 | 資産保全一般
<< 地下を流れる海外送金 日本経済... 閲覧数 2/11 >>