皆様ご存知のように、夕張市が財政再建団体入りを果たしました。18年間で赤字解消を目指すということです。
関連した過去のエントリーも参照ください。 (開始) 夕張市破綻 国は責任を負わない 地方債の債務は免除しない 次はどの自治体かそれとも日本国か (1)夕張市は、破綻処理に耐えて再生できるのか? (中略)増税と住民負担増だけでは、破綻処理に耐えて再生することは、普通で考えて極めて厳しいです。(中略) (2)そもそも、地方の見通しについて (中略)将来の地方は、インフラを維持するコストを負担できません。地方は体力のあるうちに、インフラを廃棄しなければ、持続可能性はありません。(中略) (3)では誰が負担するのか (中略)夕張市の借金は、踏み倒すことはできないと思いますが、北海道には支える体力がありません。国は責任を持たないと言っていますが、結局は、実質的な国税投入になるのでしょうね。(中略) (4)国はどうなるのか (中略)「地方の破綻を債権放棄で処理できず」「日本全体として地方の負債を処理する体力もない」場合には、地方を引き金とした、国家的な危機があっても仕方ありません。(中略) --- 夕張市20年再建計画 20年後の人口は現在の半分程度 負債は、20年かけて返済するといいます。(中略)加えて、夕張市の20年後の人口は、約6000人と現在の半分程度にまで減少すると見られています。この数字には、「破綻によるサービス低下と税負担増を嫌気した住民減」は含まれていません。いったい、誰が負債を返済するというのでしょうか。その赤字のカネはどこに消えたのでしょうか? --- 自治体の財政悪化指標 「夕張ショック」の後に 「そもそも自治体自身が倒産することはありません」とは、倒産処理の法制が無いから倒産できないだけで、倒産しないという本質的理由が明示されていません。「地方自治体が破綻した場合、国が直接保証する」とは書かれておらず、あくまで間接的な表現なのです。 交付金・補助金が減額される中で、本当に「地方債の元利償還に必要な財源を国が保障」することができるのでしょうか?「自らの課税権に基づいて」とありますが、本当に「課税権」だけでまかなったら住民は逃げ出すのではないでしょうか? また、将来的には、誰が地方債を引き受けるのでしょうか?政府の引き受けが減ると予想した場合に、民間の引き受けが増えるのでしょうか?「政府保証も明確には付いていないし、こんな危ない自治体の債券は、かなりのリスクプレミアムを上乗せしてくれないと買えないなあ。」と思うのではないでしょうか。 平均的な「自治体の財源に占める自主財源収入の割合」は約38%で、残りは依存財源(中央政府から支出されるお金、市町村の場合には都道府県からのお金を含む)です。そもそも、経済成長が期待できない自治体が、身の丈に見合った財政運営をせずに、過度に借金(地方債)に依存してきたということ自体が間違っているのではないでしょうか。 まさに、借金スパイラルなのではないでしょうか。 --- 地方財政・地方債の状況について 本筋を言えば、 ・赤字債ではなく、支出の切り詰めと資産の売却 ・地方債の、債務カット・金利減免・リスケジュールの法制化 ・つまり、住民と債権投資家にもリスク負担を求める でしょうか。 --- 「貸付金」とは何か? 貸付金に関する記事 国の資産としての貸付金は不良債権か? これまでも指摘しているように、「国などの体力が残っている間は、結局は税金で地方自治体を救済することになる」となるようです。ただし、直接的な責任は道が負担し、国としては「道が支援するなら国もそれを間接的に支援しないわけではない」と、少し距離をおいたスタンスとなっています。(中略) 夕張市のような事例を見るにつけ、「貸付金が不良債権となっている割合が大きいのではないか?」という疑問に、「夕張市は特殊事例であり、そのほかの地方自治体はすべて健全経営であり、貸付金の焦げ付きは100%存在しない」と答えられる人はいないのではないでしょうか? --- 黒い鎧の徴税官(貢ぎ取り) 苛政は虎よりも猛し 苛斂誅求 『増税社会・高負担社会』からは逃げられない 夕張市民の場合は、札幌などのその他の都市に移住して仕事を見つけることが可能でしょう。ですが、日本全体がそうなった場合に、「自分だけが安全な」逃げ場はありません。 (終了) 関連したニュースもご覧ください。 (引用開始) 夕張市が財政再建団体入り 18年間で赤字解消目指す 菅義偉総務相は6日、財政破綻(はたん)した北海道夕張市の「財政再建団体」移行を認め、国会内で後藤健二市長に同意書を手渡した。今後、夕張市は国の管理・指導の下、平成36年度までの18年間で353億円の赤字解消を目指す計画に沿って財政再建を進めていく。財政再建団体への移行は4年の福岡県赤池町(現福智町)以来。 夕張市はかつて「炭鉱の街」として栄えたが、炭鉱の閉山で人口が激減し、市財政も悪化。その後、観光振興などで地域の活性化を目指したが、外部からは見えにくい金融機関からの一時借り入れを繰り返すことなどにより、最終的に600億円を超える実質債務を抱えて財政破綻した。 市の財政再建計画によると、職員数の削減や給与の全国最低水準への引き下げなどで人件費を大幅に削減。また、増税や公共料金値上げなどによる歳入確保に加え、行政サービスを徹底してスリム化するため病院の縮小、小中学校の統廃合を進めるなど、住民にも大きな負担を求める。 産経新聞2007/03/06 --- 夕張市、財政再建団体に移行 菅義偉総務相は6日朝、財政破綻した北海道夕張市の財政再建計画に正式同意し、夕張市は正式に国の管理下で再建を進める財政再建団体に移行した。計画は353億円に上る赤字を2024年度までの約18年間で解消する内容で、市役所の大幅な縮小と住民負担増を伴う厳しい再建計画が動きだす。 菅総務相が国会内で高橋はるみ道知事の立ち会いの下、後藤健二市長に再建計画への同意書を手渡した。後藤市長は「きょうからが再建計画のスタート。市民と力を合わせて頑張っていきたい」と表明。菅総務相は「全国が注目しており、将来に希望を持って再建してほしい」と応じ、国の支援策について「他省庁を含めできることを手伝いたい」と語った。 再建団体への移行は1992年2月の福岡県・旧赤池町(現福智町)以来、15年ぶり。同町の財政再建は2001年1月で完了している。 日本経済新聞 --- 夕張市が正式に再建団体 18年間で赤字350億解消 菅総務相は6日朝、財政破たんした北海道夕張市の後藤市長、高橋道知事と国会内で会い、夕張市が申請していた財政再建計画への同意を伝えた。 地方財政再建促進特別措置法に基づく手続きをすべて終え、夕張市は同日から正式に再建団体に移行。約353億円の赤字を2024年度末までの18年間で解消する再建計画がスタートする。再建団体への移行は、1992年の福岡県赤池町以来15年ぶり。 再建計画では、昨年4月時点で269人いた職員を10年度に103人まで減らし、給与も平均30%カットするなど、人件費を大幅に削減。 歳入確保策として07年度から住民税や固定資産税、施設使用料などを引き上げる。図書館や美術館などの施設は廃止、小中学校も統廃合する計画だ。 ただ、高齢者や子ども関連では一定の負担軽減措置も盛り込んだ。当初、値上げを予定していた保育料を3年間据え置くほか、廃止予定だった高齢者のバス利用補助も割引額を減らした上で存続させる。(共同) 東京日報2007年03月06日 (引用終了)
by kanconsulting
| 2007-04-09 01:29
| 経済状況
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