世界同時株安と円高(1) FXで個人投資家破産・ロスカット多数発生 急激な円高の原因と対策は?

現在、すさまじい勢いで円高が進行しています。下のチャートをご覧ください。上からいずれも対円で、USD(ドル)、EUR(ユーロ)、AUD(豪ドル)、GBP(ポンド)、CHF(スイスフラン)となっています。このような急激な円高は、実需によるものではなく、仮需に起因することは明らかです。

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この一因は、円で資金調達をしていた機関投資家が、世界同時株安を目にして、あわててポジションをクローズしてきている、という、アンワインド(巻き戻し、仮需の決済)でしょう。為替のみの純粋な円キャリートレードだけではないと考えています。キャリートレードやアンワインドについては、過去の記事を引用しますので参照ください。

(開始)

「円キャリーとは? キャリートレードの本質 反対売買によるアンワインド 一般投資家は結局損をさせられる」

さて、キャリートレードは仮需ですので、必ず「反対売買・決済」を迎えます。これを、巻き戻し(アンワインド)と言います。大きなアンワインドが起こると、仮需で膨らんだ市場が縮小(シュリンク)します。それは、「本来の状態に戻っただけ」なのですが、イケイケになってしまった市場参加者は困ってしまうわけなのです。いきおい、他の資産クラスを処分するなど、経済全体に影響が出ることになります。

(終了)

さて、今回の円高で、多くのFX投資家が、大きな損を出しているようです。日本国財政破綻Safety Netの書き込みを引用します。

(引用開始)

Commented by ジンです! at 2007-08-16 20:21 x
こんばんは!
今回の円高(FX)で約300万ぐらいなくしました。FXは非常に危険であるということが身にしみました。現在ノ-ポジ。FXはやらないか、一部の遊び感覚でやるかのどちらかです。300万取り返そうという気はありません。今まで夢を見てました。

Commented by kanconsulting at 2007-08-16 22:41 x
ジンさん
今回の円高では、とあるFX会社では顧客の4割に、ロスカット(強制損切)が発動したというまことしとやかな噂もあります。真偽はわかりませんが、FXが市民権を得てきた現状では、ありそうな話です。
今回の円高で300万ロスしたということは、対円で平均3円円高と仮定して、100枚(1枚=1万ドル等)でしょうか。くれぐれも、高レバレッジにはご注意ください。せめてレバ5倍、可能なら3倍。そして、ポジションは必ず時期を分散して建てること。ならば、今回クラスの円高には十分耐えられます。これは、私は昔から主張していることです。
そして、これからもっとえげつない時期が来る可能性もあります。

(引用終了)

「あれ?どこかで聞いたような話だな?」と思われた方は、以下の話を思い出されているのでしょうか。過去の記事から転載します。

(開始)

「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

Commented by 高レバ at 2005-12-17 08:21 x
最大限の高レバのせいで、追証・追証、それでも間に合わず最後に強制決済されました。
ドルならまだまし。NZ・豪ドルで運用していた為一瞬でした。
+200万が、-200万へ・・・。自己資金じゃない分、余計いたし。他の評価損益を合計すると1500万は溶けた、地獄の2週間でした・・・。立ち直れん・・・

(終了)

さて、現在の相場は、オーバーシュート(行き過ぎ)の可能性があると見ています。ですが、「だったら全力で買いだ!」というのも、リスクが高い行為です。

なぜならば、このような暴落に近い相場の調整は、短くとも1週間(そのうちすでに数日は経過していますが)、長ければ数ヶ月続くのが普通だからです。海外の機関投資家はバケーションであることも多く、しばらくは、ダラダラとした投げ(ポジションのクローズ)が続くものと見ています。誰かが投げ終わるまで、相場は戻らないのです。

では、どうすればよいのでしょうか?

私は、数年間、ずっと同じことを書いています。ブレがありません。そして、ブレがないこの姿勢が、これまでの度重なる円高や世界株安を生き延びてきた秘訣なのです。

冷酷なことを何度も書きますが、この程度の円高や株安で右往左往しているようでは、これから来るであろう『国家破産の大津波』と『戦時統制経済』を生き延びられるはずがありません。

(もちろん、国家破産・日本国破綻や、戦時・戦争が来ないに越したことはありません。心構え・リスク対策の話とご理解ください。)

大事なことですので、よく考えてください。

過去の記事から転載します。

(開始)

「FX(外国為替取引) ドボンしないために」

キャリートレード通貨に乗っかって、積極的に為替差益ねらいやスワップかせぎをしようとする場合は、次の点に留意する必要があります。

(共通)
・場帳、玉帳をつけて、変動感覚をやしなうこと
・余裕資金で、少しずつ買っていく(売っていく)こと
・恐怖心や射幸心をほどほどにおさえ、冷静に相場を見ること
・押し目でナンピンし、平均値を有利にすること
・一発狙いはお勧めしません

(為替差益ねらい)
・高レバレッジでもかまわないが、その場合は損切りポイントは必ず入れておくこと
・損切りポイントは、購入時より1~2円 (レバレッジによって、復活が可能なポイントに設定)
・損切りポイントは、絶対に下げないこと
・逆に、損きりポイントを上げて、利益確定ポイントに変更するのは推奨

(スワップ狙い)
・あらかじめ、過去最高の円高がありうるものとしてレバレッジを低めにすること (2~3倍)
・多少の相場変動には動じないこと、デイトレードはしない
・計画的ナンピン推奨、利乗せはほどほどに

この中で重要なものを3つあげるとすると
「変動感覚」
「損切りポイント」
「低レバレッジ」
です。

「変動感覚」は、林輝太郎の本などにくわしく掲載されています。小職は、林輝太郎の本を読む前から、
・大きなポジションをいきなり立てるのは心理的にギャンブル性が高く、うまくいかない
・恐怖心を克服するために、小さなポジションを少しずつ立てることが、精神的に楽
・そうすることで、動揺することなく、「上がった」「下がった」を冷静に受け止めることが出来た
・だから、相場が下げても安心して長期投資が出来る
・有利な場面が来れば少しずつ買い増しが出来る
と思っていました。

皆様にも「変動感覚を身につける」ことをお勧めします。「変動感覚・リスク管理のない、当て物や一発勝負」は、大きな損失への片道切符です。くれぐれもご注意ください。

(「変動感覚」についての参考書籍)
以前から紹介しています株式投資の本ですが、基本精神はFXにも通じるものと思います。リンクの張ってあるものは、アマゾンから購入可能です。アマゾンで購入すれば、3000円以上は送料無料です。

(入門)
「株式上達セミナー これで成功は約束された/林輝太郎」
「株式成功の基礎 10億円儲けた人たち/林輝太郎」

(初級)
「あなたも株のプロになれる 成功した男の驚くべき売買記録/立花 義正」
「自立のためにプロが教える株式投資/板垣浩」

(中級)
「うねり取り入門 株のプロへの最短コース/林輝太郎」
「ツナギ売買の実践/林輝太郎」

(上級)
「株式サヤ取り」の参考書籍
「売りのテクニック/林輝太郎」

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「FX(外国為替取引)~ドボンしないために(2) 情報商材にはご注意」

①高レバレッジの危険性

これについては、何度も何度も繰り返し述べており、再度述べません。中長期の資産形成には、レバレッジ2~3倍で十分です。利乗せの時期でもレバレッジ5倍が上限でしょう。普通の皆様はレバレッジ10倍程度だと思いますが、くれぐれもご注意ください。レバレッジ50倍などは、狂気の沙汰です。

②分散投資の有効性検証

資金を分散させ、リスクが減るような組み合わせ(ポートフォリオ)を考えることで、資産保全を行うこいうことについて述べます。ここで注意しなければならないのは、
・何でもいいから分散すればいいと言うものではない
・組み合わせが、リスクを低減できるような、逆相関(ヘッジ)あるいは無相関になっていることが重要

一般的に、FXのそれぞれの通貨同士の相関度は、株式よりも高いようです。それに、通貨ペアといっても、通貨自体がそんなに多くないですから、「無相関の通貨ペア」を探し出すのも一苦労でしょう。相関度の解析を行わずに、無相関と仮定するのは、センスがないと思われても仕方が無いですね。しかも、「従来の相関の度合い」は、必ずしも今後の相関をも規定するものではありませんし、当然バラツキもあるわけですので、相関係数が絶対というものでもないのです。では、どうすればいいのでしょうか。

③安全なスワップ取引

複数の通貨ペアを導入することで、思ったほどではなくても、それなりにリスクが減少することは事実です。

個人的運用では、USD/JPY>EUR/JPY>CHF/JPY>AUD/JPY>GBP/JPY>CAD/JPY>NZD/JPYの7ペアのロングを長期保有しています。ポジションを立てる時期も選んでいますし、そもそも3倍程度の低レバレッジにおさえていますので、今月の円高の時期も安心して寝られていました。

「ポジションを立てる時期」として、具体的には、USDは今年の2~4月、EURは今年の2~6月、GBPはイギリスでテロがあった時期など、「安値つかみ」を心がけています。

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「ドル高一服、反転ドル安に調整」

最近FXを始められて、「ドルを買い損ねた!まだまだ行ける!買い増しだ!」と、高いレバレッジでドルのロングポジションを立てていた方は、強制決済にかかってしまった方もおいでなのではないでしょうか?

本日のこの動きは、小職にとっては「損きりの動き」のように感じました。これまでも「購買力平価と為替レートの関係~キャリートレードのブームとバースト」などの記事で何回か書いていますが、ドル円のようなキャリートレードの関係にある通貨ペアは、じわじわと高金利通貨が買われ、機関投資家の利益確定が呼び水となってポジションをふくらませた投資家の狼狽売りを誘発し、一気に高金利通貨売りに反転することが特徴です。

「『まだ』は『もう』なり、『もう』は『まだ』なり」
「人の行く 裏に道あり 花の道」

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「FX(外国為替取引)の記事 為替の予測は短期ほど不可能 満玉張らない・相場の動きを感じる」

その中で、「為替の予測を当てることは、短期になるほど不可能」につきまして、その通りと思います。外貨の買いは、あくまでも、日本円に対するリスクヘッジですので、円高リスクがあらかじめ許容できるレベルにとめておくのが上手なやりかたです。そのためには、

・余裕資金を持つ (満玉張らない、全力投球をしない)
・相場の動きを感じる

ことが重要です。

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「山崎元が語る「売買を分割したくなる心理について」 分割売買は非合理的で言い訳がましい? 戦略と戦術」

結論から言いますと、「投資の戦術においては、自分のメンタル面である『恐怖心、射幸心』『興奮、絶望、思い上がり』をコントロールすることが、とても重要」であるということです。これは、言い訳や自慢とは全く異なる種類の「心理的効果」なのです。市場の流れや、いろいろな情報、それに乱高下がもたらす興奮や絶望によって、勝手に市場から退場してしまう個人投資家がなんと多いことでしょうか。そして、「(プロの)分割売買は、自分の心理面をコントロールするという面でも有効」ということは、このブログで何度も言及しているところでもあります。

これも何度も書いていることですが、自分の心理面をコントロールできない(しようとしない)方が、今後ありうる経済的動乱を生き抜くことは難しいのではないでしょうか?大事なことなので、よく考えてください。

・・・そして、このブログでは何度も指摘しているように、大きな戦略としては、『今後の日本の経済を見通したときに、海外株式投資を主力にせざるを得ないことは自明』なのです。

戦術として、「フルインベスト(手持ち資金を使い切って投資すること、全力投資)」は、必ずしも適切ではありません。何度も繰り返し書きますが、「満玉張るな」なのです。たとえば、日本の証券会社が販売する投資信託は、「設定日から数日間で、集めた資金のほとんどを使い切ってしまうので、相場観もなにもあったものではない」という指摘もあります。「思い立ったが吉日なので、フルインベスト」では、資産運用のプロと称するには嘆かわしい限りです。

以前も書きましたが、『戦略と戦術の両方が重要』なのです。


(終了)
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by kanconsulting | 2007-08-17 00:32 | 外国為替(FX)
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