先日の記事で、次のように記載しました。
(転載開始) 「自民党総裁選 財政再建派と上げ潮派の出来レース 結局国民にツケを回すことに」 具体的には、今後の総選挙を考えた場合に、消費税増税をメインにすると票が取れない危惧があるため、「歳出削減」と「国債で負担を先送り」をミックスさせることになると思います。ですが、この流れで言うと、歳出削減は、国のムダ・利権を温存し、ある程度のバラマキの財源を握ったまま、弱いものからの収奪は相変わらずの、「ご都合型歳出削減」となる可能性があるのです。 弱いものからの収奪とは、自己責任の名の下に、たとえば健康保険、老人保険(名前が変わりましたが)、生活保護などを含めた社会保障のカット、があるでしょう。 加えて言うと、ドルの信用を中心とした金融システムの死守のために、いくらでもカネをつぎ込めるフリーハンドを手放さずに握りこんでおくことです。 もちろん、日本経済そのものを成長させることで国家財政状況を改善させること、一般会計・特別会計を含めた政府支出のムダをカットすることは、必要なことです。ですが、見せ掛けの議論にだまされないように、しっかりと監視していく必要があるのだ、と主張します。 (転載終了) 「政府(自民党)は、本気でムダをはぶき、アメリカにも意見を言い、日本と国民のための政策を考えているのか」というのリトマス試験紙として、先日の記事では、 ・予算執行調査によるムダの指摘と節約額は、一般会計から見ると微々たるものであり、単なるポーズといわれても仕方ないこと ・会計検査院の機能強化が必要であるのに遅々として進んでいないこと を挙げました。 本日は、天下りについても、ニュースから転載したいと思います。 ・中央官庁出身の天下り理事を抱えていたのは、国が所管する公益法人6720法人のうち、3054法人(45%) ・公益法人の全理事14万4482人のうち、国家公務員出身の理事は6・4%の9288人 ・うち8割以上の7584人が所管官庁からの天下り ・天下りが多いのは、国土交通省(2230人)、厚生労働省(1325人)、経済産業省(1160人) (引用開始) 公益法人白書:45%に天下り理事 増田寛也総務相は9日午前の閣議で、08年度公益法人白書を報告した。国が所管する6720法人のうち、国家公務員出身の理事がいるのは約半数の3350法人。所管官庁から天下りした理事がいる法人は3054法人で、全体の45・4%を占めた。公益法人の全理事14万4482人のうち、国家公務員出身の理事は6・4%の9288人。うち8割以上の7584人が所管官庁からの天下りだった。 所管官庁から天下りした常勤役員のいる1918法人について平均年間報酬額をみると、▽400万~800万円未満=578法人▽800万~1200万円未満=483法人▽1200万~1600万円未満=448法人。2000万円以上も10法人あった。 毎日新聞 2008年9月9日 東京夕刊 --- 依然45%に天下り理事 国の公益法人、改善に遅れ '08/9/9 国が所管する公益法人(社団、財団法人)の45・4%に当たる三千五十四法人に、業務を所管する中央省庁出身の理事七千五百八十四人が天下っていることが九日、総務省が〇七年十月現在で集計した「二〇〇八年度公益法人に関する年次報告」(公益法人白書)で分かった。 前年同期の調査より、一年間で天下り理事は四百七十人減ったが、天下り先は五法人増えており、改善には程遠い状況がうかがえる。 省庁別の天下り理事数は、最多が国土交通省の二千二百三十人で、厚生労働省の千三百二十五人、経済産業省の千百六十人が続いている。 一方、無駄遣いの温床などと批判される、国所管法人に支出された中央省庁からの補助金や委託費などの〇六年度総額は、前年度より二百五十三億円減って三千五百二十四億円。支出先の法人数は三十三増えて九百六十三となった。 支出先の法人数が増えたことについて総務省は「政府の随意契約の見直しで、発注先が多様化した影響ではないか」と指摘している。 中国新聞 --- 08年度公益法人白書 45%に「天下り理事」 総務省は9日、2008年度の「公益法人に関する年次報告」(公益法人白書)を公表した。昨年10月1日時点で、国が所管する公益法人(社団、財団法人)6720法人のうち中央官庁出身の「天下り理事」を抱えていたのは45%にあたる3054法人。天下りの人数は7584人に上った。天下り理事は国土交通省(2230人)、厚生労働省(1325人)などが多かった。 政府は「所管官庁出身の理事数を3分の1以下」にする方針を示しているが、基準を上回った公益法人が160あった。今年8月14日時点では、3分の1超の法人はなくなったとしている。(09日 11:06) 日本経済新聞 (引用終了) 天下りによる、税金というリソースの無駄遣いは、厳しく指摘されるべきものです。 しかしながら、「天下りを根絶しても、結局は仕事が発生するために民間に外注しなければならず、民間としても利益を見込んだ対価を請求するために、それほどの人件費の節約にはならない」という意見もあります。 だからといって、税金というリソースを裁量の大きな状態で使い続けてよいとか、既得権益なので誰にも文句は言わせないといった思い込みは、間違っていることは言を待ちません。 一説によると、「国のために尽くした上級公務員には、天下りによって、1億円程度の報奨金を与えることになっている」と言われています。これまでの報道などから、給与の高い天下りポストに数年ついたり、天下りをいくつか転々とすると、おおむね1億円程度にはなるという状況証拠はありますが、もちろん、そのような規定はありません。 その可能性を否定できないのが悲しいところなのですが、まず、税金の使い方について、根本から考え方を改めていただく必要がありそうです。 先日の記事で、『歳出削減は、国のムダ・利権を温存し、ある程度のバラマキの財源を握ったまま、弱いものからの収奪は相変わらずの、「ご都合型歳出削減」となる可能性があるのです』 と書きました。国民に痛みを求める前に、国が、ムダ・利権をいったん全部手放し、バラマキの財源を手放す必要があるのだと思います。 こう書いていながらも、いろいろな国内の利権と圧力に翻弄され、国際経済のマネーの流れに飲み込まれ、そして、ドルシステムの胴元アメリカからの命令に抗いきれない、今の日本があるのだ、と思います。まず、こういった現状を認識することが必要なのでしょう。 たとえば、天下りを根絶したならば、その跡地に生えるのは、国際金融資本の息がかかった業者となるでしょう。税金が国内に還流せず、よりひどい事態になるのが見えています。単純に「天下りをなくせば良いではないか」という、簡単な問題ではないのです。 本当に日本の国の将来を考えたときに、暗澹なる気持ちになるのは、私だけではないと思います。
by kanconsulting
| 2008-09-10 15:55
| 経済状況
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