これまでも、何度か、「信用不安が起こると、円高になる」ことを指摘してきました。本日も、データにより、それを検証したいと思います。
信用不安の指標としてクレジット・スプレッド(High Yield Credit Spreads)、世界市場の乱高下の指標としてボラティリティ指数(VIX:VOLATILITY INDEX)、円ドル為替レート(通常と異なり逆数になっていますので、グラフの上に行くほど円高となります)を、グラフにまとめてみました。 (データ クレジットスプレッド:ThinkBIG、利回り格差・信用スプレッド:国際投信投資顧問、為替レート:yahoo.com) ![]() 先日の記事では、『明日には、オーバーシュート分の修正が入ります。しかし、また、円高は来るのです。こうやって、市場の乱高下によって、個人投資家は振り落とされていきます』と述べました。事実、ドルは103円まで戻した後、しっかりと90円台に突入していきました。ブログには書いていませんでしたが、私の周囲には、「現在は二段下げの最中。オーバーシュートの修正で、101円から103円まで戻す。そこからダイレクトに円安に戻るとは考えにくい。三段下げを想定して、97円程度まで下げる。」と述べていました。 また、AUDに至っては、一時63.8円という、60円台前半にまで突入しています。 言及しようと思いながら延び延びになっていた韓国経済の実質国家破綻と、アイスランドの国家破産(*1)もあり、機関投資家が、急激にリスク案件をアンワインドしていることが伺えます。 *1 アイスランドは、「国家財政が破綻しかねない」(ハーデ首相)として、非常事態を宣言、すべての銀行の国有化を緊急実施したということです。誰が、「アイスランドと日本は、規模も体力も違う。日本は絶対に大丈夫。」と言えるでしょうか?誰もが絶対に大丈夫と思っていた保険会社AIGが実質倒産、一世を風靡した巨大投資銀行リーマンブラザーズが破綻、各種の仕組み債券が紙クズ同然となった今、「絶対安全は存在しない」ことを、あらためて知る必要があります。 さて、グローバル・ソブリン(いわゆるグロソブ)のリスクについては、このブログでも、何度か言及してきた通りです。それに加えて、為替レートによる減価、信用不安による債券の元本割れなどにより、文字通り「見ていられない」結果となっています。 文字通り、金融恐慌が来ているのだと思います。 「は?どこが恐慌?」と思われる方は、平和です。世の中には、知らないほうが幸せなことが、たくさんあるのでしょう。 --- 1年前の過去の記事にリンクを張っておきますので、今一度、ご確認ください。 なぜ円高になるのか、については 「世界同時株安と円高(5) クレジット・スプレッドと為替レートの関係 「円安貧国、ニッポンの罠」」 ではどうすればいいのか、については 「世界同時株安と円高(6) 再び総円高が来たときに個人投資家は持ちこたえられるか」 を参照ください。 --- 皆様が、今後激しさを増すであろうこの『金融情勢の混乱』と、ありうるリスクシナリオ『ドル覇権の崩壊に伴う現代金融システムの瓦解』、そして可能性が高まりつつある『国家破綻』の大津波を、無事に乗りきることができますよう、ご多幸をお祈りしております。 この期に及んで、「一般人を恐怖させるようなことを書くな。悲観的に書きすぎだ。煽りも大概にしろ。」と思われる方がいらしたら、私は、あえて反論せず、そっとしておこうと思います。ここまで危機が迫った今、果たしてどちらが正しいかなどということは、どうでも良いことだからです。
by kanconsulting
| 2008-10-09 00:49
| 経済状況
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