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グローバルソブリンの注意点(2)

直前のエントリー「グローバルソブリンの注意点(1)」にて、グローバルソブリンの抱える複数の問題点を指摘しました。

以上の注意点を簡単に言うと、「グローバルソブリンは、今はいいかも知れないが、買ってはいけないファンドだ」ということです。

では、「どうすればいいのか」について述べます。

まず、毎月の分配金が本当に必要なのか、つまり、再投資による複利効果を生かして資産形成するほうが本来の目的を達成できるのではないか、ということを検証します。

また、海外債券ファンドに投資したい場合は、ETFを活用します。

たとえば、以下のようなETFがあります。いずれも日本では買えません。(カッコ内は、ティッカーコードと、市場)
iShares Tr Lehman 1-3 Year Treasury Bd(SHY:AMEX)
iShares Tr Lehman 7-10 Year Treasury Bd(IEF:AMEX)
iShares Tr Lehman 20+ Year Treasury Bd(TLT:AMEX)
iShares Lehman TIPS Bond Fd(TIP:NYSE)
iShares Lehman Aggregate Bond Fund(AGG:AMEX)
iShares Tr GS $ Inves Top Corp Bd Fd(LQD:AMEX)

ETFの活用方法については、現在「海外証券会社を活用したETF投資方法」を、とりまとめ中です。近日中に、小冊子として公開できると思います。

まとまった資金があり、外貨ベースで長期固定運用したいのなら、個人で外国債券を購入することも可能です。ただし、国内の証券会社で購入すると、債券価格自体が不透明な上に、為替レートも不利ですので、「自分でFXなどを活用して外貨に換えて」「海外証券会社で直接債券を購入する」ことが一番有利です。
by kanconsulting | 2005-08-06 21:49 | 海外投資

グローバルソブリンの注意点(1)

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ここ何年か、国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」が、高齢者を中心に人気のようです。このファンドは、通称グローバルソブリン、略してグロソブなどと言われています。人気を集めた理由は、
・信用力の高い国の国債に分散投資している、安定運用の投資信託
・以前のオープン型投資信託には珍しかった、毎月分配
とされています。

以前のエントリーで、「今ブームが来ているグローバルソブリンには要注意」と書きました。今回は、「なぜ要注意なのか、どう注意すればいいのか」について述べます。

まず、このファンドの特徴について述べます。

グラフは、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」です。純資産残高は約4兆5,000億円と、日本ではトップの純資産残高ですので、人気のほどがうかがえます。

最近、このグローバルソブリンと同様の売られ方・分配金の仕組みを持っている、ニッセイアセットマネジメントの主力投資信託「ニッセイ・パトナム・インカムオープン」の純資産残高が1兆円台を達成しました。国内では、グローバルソブリンに次ぐ純資産残高です。

ソブリン(ソブリン債券)とは、「各国政府などが発行する債券」の総称で、一般的には「(外国)国債」です。このファンドの場合は、主要先進国の中で信用力の高い国です。信用力の高い国の国債に分散投資している投資信託ですので、安定運用の海外債券ファンドです。ただし、この商品は為替リスクのヘッジを行いませんので為替変動の影響を大きく受けます。そしてもちろん、金利変動の影響も受けます。

このファンドは、毎月分配が人気の秘密です。設定以来の毎月の分配金を欠かしたことがありませんし、最近は1万口に対して毎月40円で変動がありません。

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「それなら別にいいじゃないか。何の問題があるのか。」という指摘があるかと思います。実は、問題点は複数あります。

①運用手数料が高い

このファンドの運用手数料は、総資産額に対して年に1.25%と、株式投資信託並の高さです。それだけではなく、販売手数料として、購入時に購入価格の1.5%が必要です。これまでも「1兆円ファンド」の例などで検討してきたように、運用手数料の高いファンドは、それだけで運用成績の低下につながりかねません。

外国債券の利回り(既発債、残存期間10年未満)は、たとえば、
アメリカ国債(ドル) 3.6~4.1%
ドイツ国債(ユーロ) 2.5~4.5%
です。

流動性などを考えると、アメリカ国債を中心にすることになりますので、本来の利回りが4%といったところでしょう。株式に比べると低い期待利回りですが、そこから運用手数料を毎年1.25%取ると、実質利回りは1.75~2.75%といった状況になります。

アメリカ株式市場(NYSE、AMEX)にも、iSharesを中心として、債券ファンドがETFとして上場されています。これまで述べたように、ETFは、透明性・流動性に優れていることはもちろん、運用手数料が通常0.5%程度と格段に安く、多くの場合販売手数料が不要だということが大きな特長です。

残念ながら、このような債券ETFは日本ではまだ買えないようです。つくづく日本は金融後進国だと思うしだいです。

②それ以前の問題として、運用が稚拙

これだけの運用手数料を取っているのだから、さぞ素晴らしい運用をしているに違いないとお思いでしょうか。実際は、債券と言う比較的安全なもので運用しているにもかかわらず、基準価額は、基準の1万円を下回り続けており、利回りはマイナスになっているのが現状です。つまり、このファンドは、運用が下手なのです。

なぜ運用が下手なのでしょうか。外債市場は、株式に比べると比較的クローズな市場で、やり手の海外トレーダーに一杯も二杯も食わされている可能性があります。また、為替レートも不利なレートを使っている可能性があります。

手数料を抜いた後で利回りが3%を切るようなファンドが、なぜ年5%もの配当を確実に実施できるのでしょうか。また、配当は、原理的に「元本を取り崩して」行うのですが、にもかかわらずなぜ基準価額がそれほど下がらないのでしょうか。そのヒミツは、「このファンドの人気」にあります。

新規の投資資金流入により、これらの問題が基準価額に反映しない(3/23一部修正)新規の投資資金流入と、分配金の関係

国内預金の低金利を考えると魅力のある商品に思えますので、今は、新規の投資家のお金がたくさん流入している状態です。ですので、それに連れて基準価額は上がります。ですので、元本を取り崩して配当を支払っても、それほど基準価額には影響しません。

※(追記3/23)この種類の投資信託には、株式と異なり、ビッド/オファーがありませんので、流入フロー(新規の買い)が多くても、単純に基準価額が上がるということは事実上考えにくいです。普通で考えますと、投資先債券の種類(銘柄、年限など)といった内部要因、為替レート、各国の金利といった外的要因、信託報酬といった制約条件によって、ほぼ基準価額が決まると考えます。その意味では、タコ足配当というのは、言いすぎとなります。
ただし、フローの話としては、分配金のうち債券の利子を上回る分については、新規流入資金(+為替差益)を充てることになります。※

もし資金流入※(修正3/23)基準価額キープと高配当の両立を可能にしていた要因、たとえば円安傾向など※が止まると、元本を取り崩して分配金を支払うことにより、基準価額の下落は避けられません。

長くなりましたので、続きは明日。

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「グローバルソブリンの注意点(2)」
「金利上昇とグローバルソブリン ~グローバルソブリンの注意点(3)」
「グローバルソブリンの注意点(4) (グローバル・ソブリン・オープン、ソブリン債券ファンド)とは?」
by kanconsulting | 2005-08-06 21:42 | 海外投資

クレジットカード詐欺の対処方法

海外銀行のクレジットカード(VISAなど)においても、これまで紹介していますように、番号盗用などによる被害に遭う場合があります。

クレジットカードの不正使用の被害を発見するには、毎月送られてくる月次明細書(Statement)に、必ずすぐに目を通すことです。また、月に何度か、オンラインで資産状況をチェックするのもいいでしょう。一般的に、不正使用が行なわれた日から、一定期間(銀行にもよりますが、1~2ヶ月)を超えたものについては異議申し立てができません。

被害に気づいた場合には、すぐに「身に覚えのない出金や、利用金額が違うこと」を記載し、口座番号、口座名などを記入した英文手紙(FAX、電子メール)を出します。

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①身に覚えの無い取引の場合

Re: Claim Investigation for Fraudulent Transaction  (FRAUDULENT:詐欺)

日付(Date)

I certify that I have never authorized any of following transactions, and I have never received any merchandise and services.
I claim investigation for having been used our Visa Cards as fraudulent.
(知らない取引があり、詐欺と思われます)

I do not have any liability for unknown charge and I claim investigation for following debits and claim for refund immediately.
(当方に責任はないので返金してください)

・30th Nov. 2004 ― paid to www.sagi.com (USD $500.00)
・10th Dec. 2004 ― paid to sagi-company (USD $100.00)
(利用日(Transaction Date)、金額(Amount)、利用店名(Merchant Name)と都市名(Merchant Location)などを書く)

口座番号(Account Number)
氏名(Cardholder’s Name)
署名(Signature)

②利用はしたが、金額が異なる場合 (上の文章の一部を入れ替えます)

I did participated in the transaction listed below.
However, the amount was altered to the above amount as follows.
I never authorized the difference.
(私は上記の利用はしましたが、下記のとおり金額が変更されました。変更による差額については、利用の覚えがありません。)

正当な金額(Authorised Amount)
差額(Difference of charge)
利用店名(Merchant Name)

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これまでも紹介していますように、海外銀行は通常これらの補償に応じます。日本ではようやく法制化がとられようとしている段階ですね。
by kanconsulting | 2005-08-05 03:11 | 海外銀行